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サトル・ボディ(意生身)とエクソシズム

(前回の続きです。5年まえのものです。) 

老松克博著『サトル・ボディのユング心理学』では、題名の通り、サトル・ボディをユング心理学の視点によって考察されているものです。仏道を学ぶものにとってきわめて勉強になるものです。是非読まれることをおすすめします。以下に、特に印象的であったことをいくつかを要約して挙げさせていただきたいと思います。いまの日本にはサトル・ボディが急速な侵入による影響があり、破壊的な災厄をもたらしかねないとし(p.42)、サトル・ボディとの関わりを洗練する必要がある(p.194)と主張しています。また、サトル・ボディへの安易な接近は、それに憑依され、操られてしまう危険があるといい(p.188)、サトル・ボディの探求にまつわる危険性を充分に考えてゆく必要がある(p.196)と警告しています。また、その探求には、古来よりの伝統のヨーガや気功などの一般の人にとって縁遠いものを学ぶことは一般的に難しいため、深いイマジネーションの経験を積み重ねていくのが有効であるとし(p.194)、「サトル・ボディの危険性を意識しながら、イマジネーションによって、可能なかぎり、接触の質を高めていくこと。これが「死と再生」の儀礼なき時代を生きていく私たちに与えられている選択肢の一つである。」(p201)といっています。

 ヒルマン著『魂のコード』では、悪魔的なものを阻止するために次のようにいっています。要約していうと、悪の種子を阻むことは、悪の種子を完全に認めることからはじまる(p.309)し、ダイモーンに目をつぶっているかぎり、ダイモーンはありきたりの世界におだやかに着地することはない(p.310)。その悪を阻止することは禁止でも説教でもなく、ダイモーンをただ悪の種子の堅い殻のなかから呼び出し、その完全な姿を表すよう、誘いかけること(p.312)。それが社会を悪の種子から守るためのエクソシズムの儀式である(p.313)といっています。

 以上のように、われわれはそれとの適切な関係を築くことが大切であることがわかります。触らぬ神に祟りなしというような危険を知って、その接触を絶てばよいというものではなく、それが危険だからとって無視すれば、いずれ、危険な形をとって、われわれを脅かすということになってしまうのでしょう。そうならないためにも、適切な関係を築くことが重要になるというのでしょう。

 では、仏道の根本であるダンマの体感を現代に復帰させることがそのための選択肢の一つとなりうるのかというと、残念ながら現状ではほとんどありえないと思えてしまいます。その反対に、火に油を注ぐことにもなりかねない危険のほうが大きいことになりはしないでしょうか。
 現代の若者がオカルト的な関心を持つ人が増えている現状に対して、ヒルマン氏のいうようなエクソシズムの儀式を行えるだけの力は、現在の仏道にはあるのでしょうか。その反対に、同じように、舞い上がろうとし、グロウ・ダウンすることの重要性を無視していることはないでしょうか。

 オカルトにとらわれることを危険視し、正当なダンマの直接体験は、その危険と全く無縁であると理解し、ダンマの直接体験をすることで、オカルトのとらわれから自由になるなどという考えは、実際的ではないことにならないのではないでしょうか。正統な師について学べば、オカルトにとらわれることはないという理解は、ダンマのビジョンを満たそうとする誇大さを無視することになりはしないのでしょうか。グロウ・ダウンが無視されてしまうことにはならないのでしょうか。
 ダンマの顕現がブッダの悟りの体験であるからといって、それを盛んに広めようとすることは、実際、ダンマの直接体験者を増やすことができたとしても、グロウ・ダウンの重要さが無視されれば、結果として、アマテラス的な側面を極端に増大させ、それを補償しようと、破壊的なスサノオを、直接的、または、間接的に、呼ぶことに手を貸してしまうことにはなりはしないのでしょうか。そのようになったとき、それは業のためであるといって、業に責任転嫁することにはなりはしないのでしょうか。

(次へ続きます。)
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パン

Author:パン
玉城康四郎を尊敬する無宗派大乗仏教徒。一仏乗依拠。
終地の禅定を重視するが、多神教的であるアニマ・魂を尊重したい。また、自我の現実世界での役割も重視したい。
リベラル。無党派大衆運動を支持します。
会社員。

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