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「見捨てられ」

(前回の続き。5年前のものです。手抜きで、すいません。)

 老松克博氏は『スサノオ神話でよむ日本人』において、アマテラスとスサノオの「見捨てられ」に注目されています。
 この「見捨てられ」が私にとってとても印象深く感じました。私の豪雨の象徴的な出来事やカッチーニのアヴェ・マリアを聞くことでイメージされてきた死を前にする貧しい若者もそれに関係しているようです。
 ここでは、その若者について考えて見ます。

〈イメージ1 共時的出来事2 見捨てられの象徴 その1〉

「私がイメージされてきた若者は、日々の糧を得るのにも多くの苦労していた。彼は孤独で身よりもない。食べるために働こうとするが身寄りのない彼を働かせてくれるところはほとんどない。それでも何とかお願いし、働かせてもらい、まじめに働くが、無理にお願いしていることもあって、長くは雇ってもらえない。優しい雇い主もいれば、意地の悪い雇い主もいる。どちらにしても、みな貧しい。彼に優しく接してくれる雇い主はもうこれ以上、雇うことができないと悲しく彼を解雇する。彼を見捨てることになってしまう。彼に辛くあたる雇い主のもとで、彼はそれに耐え一生懸命働くが、難癖をつけて辞めさせられてしまう。その雇い主も貧しいのである。どちらとも、彼を雇うほどの余裕はない。彼はぎりぎりの生活を余儀なくされている。そんな彼を支えるのは信仰のみ。彼は神に祈っているときのみ心から安らぐのである。その安らぎがその生活にある彼を支えていた。いつものとおりに職を失い、職を探すけれども、全く誰も相手にしてくれない。もう既にお金もなく、何日も食べ物を口にしていない。ついに彼は、力尽き、人一人いない町の片隅で力なく横たわる。もう歩く力も失ってしまった。季節は真冬。彼は力を失い、ついに死が訪れていることをさとる。「ああ、ついに死ぬのだ。」 すべての人から見捨てられ。神も私を助けることはなかった。深い孤独と絶望感。彼は祈ることもなく、ただ、ただ、その絶望感のなかで、死を迎えようとするのである。すると、彼は、教会から流れてくるカッチーニのアヴェ・マリアを聞くのである。彼はその深い絶望の中で、神に包まれる。
その調べは彼の深い絶望感そのものである。絶望のなかで神が現れている。」

 この曲は去勢されたオペラ歌手カステラートのために作られたという。カステラートの多くは貧民層の出身であるという。カステラートはその当時、大スターであり、それになることができれば、絶大なる富と名声を手にすることができたといいます。そのために多くの少年が去勢されたが、その中で才能のあるものだけがカステラートとなることができたといいます。

 カステラートいま死を前にする貧しい若者とは正反対である。彼は天高く飛翔する。一方、貧しい若者は力なく横たわる。正反対であるけれども、両者はともに生まれは同じく貧民層です。カステラートは多くの人々が神と交わるための必要な犠牲となっています。聖なるものを顕現させるための儀式の生贄です。彼の歌声は神そのものであり、その神の声によって、それを聞く人たちに神の体験が生じさせ、深く感動させる。
 カステラートと死を前にする貧しい若者は無関係ではないことになります。アマテラスとスサノオの関係のように、切り離すことができない。カステラートが登場するとき、死に瀕する貧しき若者も隠れて存在する。そして両者はともに生まれを同じくする。

 イエスの最後の、「我が神、我が神、何ぞ我を見捨てたまいし」の悲痛な叫び。私にイメージされてきた若者も同じく見捨てられて死を前にする。ただ、彼は群集の目の前ではなく、孤独のなかで死を迎えようとしている。その彼の姿はグロウ・ダウンした神の姿に思えます。グロウ・ダウンした神が現れている。彼が神なのではなく、グロウ・ダウンした神が現れていることを意味します。神が地上に降りる復活です。私のこの象徴的な出来事はクリスマスの直前であることも、私に深い印象を残します。
 このことは私の内面による個人的なできことですが、そのグロウ・ダウンした神の重要性が、意味のあるものとして生じているように思えます。

 ところで、私が聞いたカッチーニのアヴェ・マリアは男性ではなく、女性のオペラ歌手でした。その女性の声はよりいっそう、その深い悲しみを際立たせ手くれているように感じるのです。
再び、女性性について考えてみたいと思うのです。
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パン

Author:パン
玉城康四郎を尊敬する無宗派大乗仏教徒。一仏乗依拠。
終地の禅定を重視するが、多神教的であるアニマ・魂を尊重したい。また、自我の現実世界での役割も重視したい。
リベラル。無党派大衆運動を支持します。
会社員。

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