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『十地経』第九地、第十地

『十地経』第八地からのつづきです。
(5年まえに書いたものです。手直しせず掲載します。あしからず。)

 第九地になると、禅定によって如来の体感をさらに深めていくだけではなく、現実を検討していくことをさらに強めていくことになるようです。衆生の心、煩悩、業、能力、道心、潜勢力、生などを細かに観察し、区別して知ることを求めています。それは頭によって可能であることはいうまでもないことです。自我を積極的に関与させて行っていく仕事ということになります。ただ、禅定に習熟していけばよいというものではないといっていることになります。如来の働きの状態であるとともに、事実を究明していくことを求めているのでしょう。経典は、あるがままに知ると何度も強調して説いています。事実を知っていこうとすることを第九地の基本的な態度としているといってよいでしょう。如来の働きの状態であれば、智慧が働いて、あるがままに知ることができるという解釈とは全く違っています事実を究明していこうとする姿勢が強調されていることになります。その姿勢によって、法師としての能力を養成していくことになるといっているように思えます。

 では、法師となることができた仏道者はどうであるのでしょう。『十地経』の第九地のところをごく簡単に要約していうと、「衆生のさまざまな個性を知って、それに相応しく説法をする仏道者は十百千阿僧祇の数におよぶ陀羅尼の道を体得する。無量無辺の諸仏の説法を聞き、忘れることなく、その聞いたままに無量の仕方説法する。
 陀羅尼を体得した菩薩は、如来の加護を受けつつ、あらゆる世界の衆生にそれぞれの衆生にふさわしく説法をする。この菩薩はさらにいっそう智の光明を輝かせる努力を実践する。この菩薩は次のように思う。
 一毛の先端において無料無辺の如来が無量無辺の衆生に対して無量無辺の異なった説法をしている。一毛の先端においてそうしているように同様に、宇宙全体のことこどくがそのように如来が説法されている。私はその無料無辺の如来の説法を一瞬のうちに、一音も聞き逃すことなく、ことこどくすべて聞くことができるようでなければならない。
 この菩薩の智慧の光明はあますところなく照らし、ますます盛んになり、衆生の煩悩にまみれた心の密林を照らすやいなや、そこを照らして、反射してもどっくる。この菩薩の光明は二千の世界を支配する大梵天のごとくである。」

 第八地の菩薩の光明が千世界を支配する大梵天のごとくであったのが、第九地では二千世界を支配する大梵天のごとくにまで進歩しています。また、第八地の光明が衆生の煩悩を消滅させていたのが、第九地は反射して戻ってくるほどにまでになっています。
 ここでいう十百千阿僧祇の数におよぶ陀羅尼の道を体得するとは、法師としての能力がしっかりと身についたことをいうようです。法師となった菩薩は如来による衆生に応じた説法が無量無辺であることを知って、自身が学ぶべきことが無量無辺であることを知って、法師としての能力をさらに磨いていこうと思い、求道するといいます。

 このように求道しつつあるとき、第十地へ進み行くといいます。菩薩の智慧が成就する境地であり、色界の最高処の自在天王となるといいます。この菩薩はまだ仏とはなっていないので、仏智の実現をめざして求道することになります。経典は第十地と如来とでは全く比較にならないといっています。

 『十地経』が教える第八地以上の仏道の道程は以上のとおりです。終地の境地が最上ではなく、法師となるための前提条件のひとつであり、その成就が法師の資格とされているのではなく、身体変現が可能となってこそ、そのための学びが開始されるといっています。『十地経』の立場からすれば、終地の実現は仏道の基本のひとつの実現にすぎないということになります。その実現した者が法師となるためには、それだけではなく、法師として相応しい「自我」を形成する必要があるというのです。涅槃の境地に埋没した「自我」によってではないということになります。大乗経典の「如是我聞」の「我」とは、意成身の法熟化によるものということを意味せず、その法熟化とともに、法師として必要な技量を持つ「自我」を意味すると解釈すべきであると私は考えます。


 終地の境地を実現した者がそれ以後の道程は十地の教説に基づいていうならば、次のようになるでしょう。

第八地(終地を含む)
第九地
第十地
仏地



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プロフィール

パン

Author:パン
玉城康四郎を尊敬する無宗派大乗仏教徒。一仏乗依拠。
終地の禅定を重視するが、多神教的であるアニマ・魂を尊重したい。また、自我の現実世界での役割も重視したい。
リベラル。無党派大衆運動を支持します。
会社員。

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