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鬼子母神

鬼子母神

 『法華経』において、『法華経』の説法者を悪く言うものは、謗法者であり、後に、地獄を落ちるとしたのは、その悪の業の果報であると説明します。それは最大の罪で、最大のタブーとされます。しかし、そればかりではありません。陀羅尼品では、『法華経』の説法者を攻撃する者は頭が七つに裂けるであろうという恐ろしいことが説かれます。それは『法華経』を批判させないためのタブーの設定の意味もあるでしょうが、そればかりではなく、われわれの無意識に具わる恐ろしい側面を表しているようです。この恐ろしいことばは鬼子母神をはじめとする羅刹女たちによって語られます。自身の持つ呪には、その力があるというのです。鬼子母神は河合隼雄著『無意識の構造』で、母性の両面性の例としてあげています。

『法華経』を受持する者には、その恐ろしい面が存在すると説明しているという解釈も成り立ちます。安易な接し方をすれば、その恐ろしい呪力によって、八つ裂きにされて食い殺されてしまうというのでしょう。鬼子母神は常に善であるとは限りません。その接し方を間違えれば、人の子を食らう悪鬼となるでしょう。そのことは、『法華経』を習う側にだけ警告しているのではなく、『法華経』を教える側にも、それを警告しているのかもしれません。教える側に恐ろしい面が存在することの自覚がなく、それを否認すれることになれば、いずれ、それは凄まじき恐ろしさとなって破壊を行うことになってしまう。われわれが四安楽行にとらわれて、軽蔑しないあり方が過ぎれば、悪鬼の羅刹女を招くことになるのでしょう。弟子たちに苦行を強い、権力を振るい、脅し、力を奪い、我が物とする。自らの欲望のためにこき使い、いらなくなったら捨てる残忍さ、サド的な欲望を満たすために、相手の恐怖に喜ぶ。自らの欲望のために、弟子を食らう残虐さを表す。あるいは、安楽行にある嫉妬しないことを表面では行っていても、裏では、弟子や同僚の進歩を喜ばす、妬み、それを妨害する。師弟の関係に生じる裏の側面によって、仏道の指導は妨害されてしまう。そのようなことを表しているのかも知れません。

『法華経』の法師は常に、鬼子母神とともにいることになります。経典は、常に法師を守るといい、その法師を攻撃する者には、恐ろしい力によって攻撃するといって、『法華経』を受持すれば、自らに対しては、恐ろしい力が及ぶことはないと考えていることは影の否認となってしまい、危険なことになるでしょう。

〈共時的出来事7 羅刹女〉
『法華経』の陀羅尼品にある増長天のダラニには、次のことばが含まれています。『法華経』岩本裕 訳
ガウリー、ガンダーリ、チャンダーリ、マータンギ、プッカシとあります。
津田眞一氏の著書で、ガウリ、プッカシ、チャンダーリは、『ヘーヴァジラ・タントラ』の8人のヨーギニーのなかに含まれているとあったと思います。私はつい最近購入した、岩本裕 訳『密教経典』にそれがあるかもしれないと思い、手に取り、ぱっと最初に開いたところに、「オーン、ガウリーよ。ガンダーリーよ。チャンダリーよ。マータンギーよ。プッカシーよ。幸いあれ。」とあり、驚きます。その彼女たちは自らの存在を私にアピールかのようです。

それは、パルナ=シャバリー陀羅尼のなかに含まれているものです。岩本裕氏の解題によると、パルナ=シャバリーとは女神であり、その名の由来は、辺境の住む未開民族の名にあるといい、『ラーマーヤナ』によると、邪悪な祭祀を営むものと記されているといいます。先のガウリーなどの名は、辺境の民族の名や、賤民の女性を意味するといいます。また、パルナ=シャバリーは生肉を食らう悪魔の名に由来するともいい、先のガウリーと同体とされるといいます。ガウリーはまた、ヒンドゥーのシヴァ神の妃パールヴァティーの別名であるとあります。『孔雀明王経』では、ガンダーリとマータンギーは羅刹女とされているといいます。

以上のように、恐ろしい女性性を表しています。この陀羅尼は鬼霊を退散させ、災害や疫病を消除するものとされています。また、それに関係することがもうひとつあります。岩本裕 訳『密教経典』の序説では、薬師如来の真言をあげています。「オーン、フルフル、チャーンダーリ、マータンギ、スヴァーハー」とあります。チャーンダーリ、マータンギは賤民の女性であり、この陀羅尼の意味は、二つの解釈ができるといい、ひとつは、賤民が厄病をもたらすと信じられている場合は、賤民の女よ、いなくなれという意味であり、もうひとつは、賤民の女性が特殊な力を持つものと畏怖されて、賤民の女たちよ、厄病を祓えという意味になるといいます。
『法華経』の羅刹女の陀羅尼も、毒や病魔を除き、さまざまな鬼霊の災いや攻撃を防ぐ力があるとされ、『法華経』を受持する者を攻撃すれば、恐ろしい力によって、破滅させると脅しています。恐ろしい女性には、災いを除く力もあれば、災いを呼ぶ力もあるということなのでしょう。

(以上、5年まえに書いたもの)

ユングのいうグレート・マザーですね。仏道の実践において、あまり関係ないことかもしれませんね。無意識の持つ恐ろしい面もある。どうかすると、そうした力の影響を受けてしまうこともあるかもしれません。あまりそれにこだわる必要はないとは思いますが、宗教の持つ恐ろしさ、破壊性を考えてみるとき、そのような無意識の影響について考えてみることはよいことかもしれません。このことは、どんな宗教についても当てはまるでしょう。
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パン

Author:パン
玉城康四郎を尊敬する無宗派大乗仏教徒。一仏乗依拠。
終地の禅定を重視するが、多神教的であるアニマ・魂を尊重したい。また、自我の現実世界での役割も重視したい。
リベラル。無党派大衆運動を支持します。
会社員。

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